360度評価はどのように運用すべき?

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Q:360度評価を取り入れようと考えています。押さえておくべきポイントはありますか?

A:報酬を決定するためではなく、育成観点に重きをおく運用が有効です。

360度評価(=多面評価)は、上司・部下・同僚、時に顧客なども交えて、非評価者を多面的に評価する仕組みのことを指し、昨今多くの企業で導入されています。

ただ、360「評価」と名がついているものの、実際の報酬・給与に直接結びつけているという企業は稀です。

360評価の結果で報酬を決めないほうがいい理由

理由は2つあります。

  • 妥当性は必ずしも高くない
  • 給与を決められるほど精度が高くない

実績などと違い、あくまで個人の主観で評価をする360度評価は、妥当性はそこまで高くないといえます。そのため、この結果をもって報酬や給与を決めることは難しいのではないでしょうか。

ある企業では、360度評価の結果を評価ではなく「評判」と呼び、「行動の結果、周りから得ている評価」として参考にしているようです。

360度評価を育成に活用している事例

ある企業では、評価をする際には、目標管理による業績評価を7割、行動に対する評価は3割と決めて、報酬に結び付けています。この行動に対する評価に360度評価を活用し、本人の自己評価と周りからの評価を比較し、自信の行動を振り返り、来期の目標設定に活かしています。

360度評価は、「上司評価よりも、非評価者が結果を受け入れやすい」という点があります。

「上司評価」「上司評価と部下評価」「部下評価」と3つそれぞれ提示したときを比較すると、「上司評価と部下評価」という多面的な評価を得られた非評価者は、それがネガティブな内容であっても前向きに捉えるという結果が出ました。

また、これによる行動改善の変化は長期にわたって効果を発揮することも検証されています。

1点注意点を挙げるとすれば、そのような結果が出た際に重要となるのは「出た結果に対する解釈」です。いかに360度評価であっても、「なぜこのような結果が出たのか」「改善はどのように行うべきなのか」を非評価者が腹落ちするよう話し合うことが大切です。

これには、上司の力量が問われることでしょう。

エン・ジャパンでご支援できること

エン・ジャパンのタレントマネジメントシステム『Talent Viewer(タレントビューアー)』は、360度評価をはじめ、MBO・OKRなど様々な人事評価をシステム化することができます。Excelや紙の運用では管理しづらい評価者の設定や進捗管理も容易で、効率的な評価運用を実現。また、蓄積された評価データを用いて「評価の高い社員が持つ特徴は何か」といった分析を行うことで、採用活動や人事育成に人事データを活かすことが可能です。

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