マイルド貧困とは?

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Q:マイルド貧困とは何ですか?

A:マイルド貧困とは、生活保護を受けるほどではないが、ギリギリの生活を強いられ、将来に不安を抱える層を指します。

「貧困」という言葉を聞くと何をイメージするでしょうか。

多くは、毎日の食事もままならず、やせ細り、小さいころから過酷な労働を強いられる海外の子供の姿を想像するかもしれません。

しかし、貧困にはもう1種類「相対的貧困」と呼ばれる指標があります。その国の文化・生活水準と比較して困窮した状態を指し、「世帯の所得がその国の等価可処分所得の中央値の半分に満たない人々」がこう定義されています。

日本の相対的貧困率は、12年は16.1%、16年は15.7%もあり、実に約6人に1人は「相対的貧困」なのです。日米欧主要7カ国(G7)のうち、日本は米国に次いで2番目に高い比率になっています。

マイルド貧困の立ち位置

早稲田大学の橋本健二教授が説く「資本家階級」「新中間階級」「労働者階級」「アンダークラス」という階級をもとに、『ダイヤモンド・オンライン』が「労働者階級」と「アンダークラス」の間に新たな貧困層である「マイルド貧困」を定義しました。

アンダークラスの平均年収はわずか186万円で、男性の未婚率は66.4%。その数はおよそ930万人ですが、2025年には1000万人を突破すると考えられています。

マイルド貧困はこの1階層上ではあり、明確な年収の定義はありませんが、おおよそ年収200~300万円のラインが相当します。マイルド貧困もアンダークラスも、「一度ハマると抜け出せない」という点では共通しています。

マイルド貧困を生む要因とは

非正規労働者の数は、2016年に初めて2000万人を超え、2017年には2036万人にのぼりました(厚生労働省調べ)。

国税庁によると、正規雇用者の平均年収は487万円、非正規雇用者の平均年収は172万円ですから、何と年間にして315万円もの差があります。働き方が多様化する中で、フリーランスという働き方を選ぶ人や、独立・起業をする人も増えており、安定しない収入の中で働いている人たちはかなりの数にのぼるでしょう。

生活できないほど困窮している人には生活保護などの救済制度が用意されていますが、一定の収入があるマイルド貧困はこれらの制度の恩恵に預かることができません。そのため、自分自身で状況を打破する必要があるものの、新たにスキルを身に着けるにも、学ぶための時間、費用、機会を得ることが難しいことが、マイルド貧困の人たちがこの環境を抜け出せない要因となっているようです。

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