アサーションとは何ですか?
Q:コミュニケーションスキルの研修で、「アサーション」という言葉を聞きました。どういう意味でしょうか?
A:アサーションとは対人コミュニケーションスキルの1つです。お互いに意見を言うことを我慢せず(ただし自分の意見を押し付けることはしない)、話す側、聞く側それぞれがお互いを尊重して、率直に自己表現を行なうためのコミュニケーションスキルです。
アサーションという言葉は、もともとはアメリカで生まれました。
心理療法の中で使われてきましたが、1980年代に日本でも用いられるようになり、現在は企業や学校のトレーニングでも活用されています。
アサーション(assertion)を直訳すると、断言・断定・主張になりますが、ここで言うアサーションとは、一方的なコミュニケーションではなく、【会話の立場に基づいた適切な自己主張】のことを指します。
自己主張はする、ただし押し付けず相手の言い分も聞く。こう考えると、それぞれ反対のことを言っているようでどっちつかずに見えるかもしれません。そういうときは「自分も相手も同じように大切にし、円滑にコミュニケーションをとる」と理解しておくとよいでしょう。
コミュニケーションの3つのタイプ
複雑でどっちつかずにも見えるアサーションを理解するうえで、コミュニケーションのタイプを整理しておくと分かりやすいです。
コミュニケーションには以下の4つのタイプがあるとされています。
- 攻撃的:自分はOK / 相手はOKではない
- 受身的:自分はOKではない / 相手はOK
- 作為的:自分も相手もOKではない
- アサーティブ:自分も相手もOK!
■攻撃的
「自分はOK、相手はOKではない」ので、自分の主張ばかりをしたり、相手の意見を自分への否定ととらえてしまうようなタイプです。
■受身的
「自分の意見なんて」と卑下してしまい、自己主張ができないタイプです。周囲の意見に合わせたり、流される傾向があります。
■作為的
やや厭世的なイメージといえばわかりやすいでしょうか?物事に対して否定的なため、コミュニケーションにおいて意思決定を遮ることもあります。
■アサーティブ
しっかりと自分の意見を主張しつつ、相手の意見には主体的に耳を傾け、否定をせず、良い意見は発展便乗するようなイメージです。相手も自分も大事な、意見を言うに値する存在として認めあっている状態です。
このように特徴とタイプを整理すると、なんとなく「自分がどのタイプか」イメージがつくのではないでしょうか?
ぜひ、参考にしてみてください。