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人事評価サービスに関するインタビュー(後編)

2020.07.07更新

人事評価サービスに関するインタビュー(後編)

前回は、エン・ジャパンの評価サービスの概要と、大切にしていることについてサービス責任者の勝又さんにお話を伺いました。

前回の記事はこちら。

●エン・ジャパンの評価サービスのこだわり。最後に3点めの「コミュニケーション重視」についてお聞かせください。

―誤解をおそれずに言いますが、私どもは大前提として、「公正で公平な評価制度は存在しない」と考えています。そのうえで、実現しうる最適解はなにか。それは「納得感のある評価」です。

たとえば、同じ部署に、同じ職種の2人の社員がいるとします。

この2人の賞与に10万円の差があるとして、それを「公正・公平」の観点で、ロジカルに説明をつけることは、日本の企業の人事評価制度の中では難しい。欧米企業に比べて、よくも悪くも柔軟で曖昧なのが、日本企業の人事制度の特徴だからです。

完璧に公正で公平な評価が難しいなかで重要なのが「納得感のある評価」。

部下がより高い評価を目指してポジティブに働き続けられるために、上司は部下との間で徹底的に対話を行う必要があります。

●「徹底的に対話を行う」とは、評価面談を丁寧に行うということでしょうか。部下としては、上司から無理やり説得させられるのは、正直、抵抗感があります。

―いいえ。なにも評価面談で、上司と部下で徹底討論をしてください、というのではありません。部下の納得感を高める対話のカギは「評価の日常化」です。

目標設定と人事評価イベントは、年度または半期ごとに行うのが一般的ですが、最近はより短いスパンでの目標設定と振り返りが推奨されるようになってきました。1on1や、リアルタイムフィードバックを実践している企業様も増えていますし、その手法は様々なところで目にしていることと思います。

私どもは、昨今のトレンドが広がる以前から「評価の日常化」というキーワードで、こうした取り組みを実践してきました。上司と部下が日々、ヒア・アンド・ナウ(here and now)で振り返り、都度、部下指導の形で評価を行っていく。具体的には「上司からの期待の提示」と、それに対する「部下の到達度のフィードバック」です。これを評価イベントから次の評価イベントの間まで途切れなく続けることで、お互いの「言ったはず」「頑張ったつもり」がなくなります。

●なるほど。上司から一方的に評価を押し付けられるのではなく、日々の積み重ねで、評価の理由や根拠が受け入れやすくなりますね。

―その通りです。お話ししてきたように、一口に評価制度といっても、単に制度を設計・導入するだけでなく、運用開始後が重要になってきます。経営、人事、そして現場の上司・部下と、ほぼ全ての人が関わるものですから、丁寧に、かつスピード感のあるご支援を心がけています。

●次に、「人事評価が抱える課題」について伺いたいと思います。

―以下の2つの面についてお話しします。
① 目標設定内容が形骸化してしまう
② 査定止まりで戦略的な運用ができていない

① 目標設定内容が形骸化してしまう

期初に立てた目標が、事業環境変化によって、期末には変わっている、というのは珍しいことではありません。最近では、コロナ禍によって大きな目標の変更を迫られた方も多いことと思います。

これは、先の「評価の日常化」にもつながる話ですが、期初・期末の目標設定、評価イベントの時だけしかコミュニケーションを取らない。これが当たり前になっていると、目標の変更は全く行われず、社員が環境変化に正しく対応できない。あるいは、変更後の目標にヤラサレ感をもち、不満や混乱の元になります。

② 査定止まりで戦略的な運用ができていない

人事評価制度の目的を、評価点と昇給降格を決めること、すなわち「査定のため」にしか運用していない企業は、いまだ多く存在します。つまり、多くの人にとって評価制度とは、他人から採点された結果、給与や役職が上がったり下がったりするだけの仕組みにとどまっています。

●たしかに、評価制度や人事考課には、あまりポジティブなイメージがないですね。こうした課題を解決する策はあるのでしょうか。

―はい。まず、私どもは「評価制度と教育制度の連動性」が決め手と考えています。たとえば、期初に設定した目標達成のために必要となるコンピテンシーと、社内教育が連動する設計です。これにより、チャレンジングな目標への挑戦が仕組みとして実践でき、社員が事業に貢献しながら、成長し続けることが可能になります。

●査定だけのためではなく、育成のための制度でもある、ということですね。

―その通りです。事業目標の達成のために社員の貢献と、それに対する査定・処遇は不可欠なのですが、継続的な成長を考えれば、社員が成長する、つまり発揮できる能力を高め続けることも
また重要です。

さらに経営視点でいえば、評価履歴は戦略的な人事施策にも活用できます。評価結果を時系列でみることで、成長力や長期的な目標達成率を把握できますし、さらに適性テストの結果などをかけあわせることで、優秀人材を発見したり、自社の登用傾向を分析することもできます。

これからの企業は多様な社員を受け入れ、活かしていくことが求められる。環境が変化するのと同じく、人の意欲と能力も変化します。昇格スピードの速い人、新しい職務への適応に時間がかかる人など、変化をみていくことで最適な配置・育成が期待できますし、評価はその重要な基礎データのひとつです。

●最後に、人事評価制度の今後について伺います。いま、人事評価制度は何をアップデートしなければならないとお考えですか?

―お話ししてきた内容は、決して目新しいものではなく、人事の皆さまにとっては常識となりつつあることだと思います。今後に向けて特にお伝えしたいのは、実践で真の常識にしていきましょう、ということですね。

まず、
・人事評価は、期末期初にだけ扱うもの
・人事評価は、査定と処遇だけのためのもの
という旧来の常識を捨てることから、人事評価のアップデートが始まるのではないでしょうか。

事業の方向性に即して、最適な運用をし、実践例とデータを貯める。
その蓄積を振り返りながら、自社なりの人事評価運用を育てていく。
事業の成果を上げ、人材を育てていくために、評価制度を使い倒す。

その積み重ねから「評価は厄介で、楽しくないもの」という常識も、アップデートしていけたらと思います。

HRtechの進化で、あらゆる企業様に変革のチャンスが訪れています。機を逃さないよう、私どもエン・ジャパンも全力でご支援してまいります。

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