オフィスのトレンドキーワード「ウェルビーイング」意味と詳細
Q:ウェルビーイングという言葉の意味と詳細を教えてください。
A:ウェルビーイングとは、身体的・精神的に良好な状態にあることを意味する概念で、「幸福」と翻訳されることも多い言葉です。
企業としての経営の方向性や組織のあり方を考えるときに、目安となる概念の一つといえます。
健康な状態とは、「病気でないこと」ではない
過去の世界保健機関(WHO)憲章の草案の中で、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます(日本WHO協会:訳)」と述べられています。
日本が今「幸福」かというと、国連の持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)による「世界幸福度報告書2020年度版」においては、日本は153カ国中62位という結果でした。
首位は3年連続でフィンランド。日本は2018年の54位、2019年の58位からさらに4位後退し、年々順位を落としています。
日本の幸福度の低さの要因は?
幸福度調査は、自分の幸福度を0から10の10段階で自己評価した主観の平均です。
日本で特に評価が低い項目は「寛容さ」と「主観満足度」。寛容さは1ヶ月以内に寄付をしたかが設問になっており、寄付文化の薄い日本では加点しにくいといえますが、気になるのは主観満足度です。こちらは、人生評価において楽しいか、辛いかという主観質問への回答ですが、日本はこの主観レベルが非常に低いことがわかっています。
ウェルビーイングの観点を経営に活かすなら
オフィス用品を扱う企業コクヨでは、企業にこの観点を持ち込む際のポイントとして、以下の6つを挙げています。
- ワン・カンパニー:組織文化の浸透
- マインドフル:意識の調整
- セレクタブル:選択肢の提供
- コンビニエンス:手軽なアクセス
- ナッジ:そっと背中を押す手
- ナチュラル:職場らしさの排除
どうして企業経営にウェルビーイングの観点が必要なのか
企業経営にウェルビーイングの観点が叫ばれるようになったことには2つの背景があります。
1つ目は「労働力の減少」。IT・AIや生産技術の発達により単純な事務仕事は減り、高い課題解決能力を持った人材が必要とされている一方で、労働人口が減少を続け、企業にとって優秀な人材を確保することが課題となっています。このため優秀な社員に長く健やかにいてもらい、長く居続けてもらうための工夫としてウェルビーイングに配慮することが必要が出てきました。
2つ目に、働く個人の価値観の変化です。
近年は会社を選ぶ際、「給料よりも、いかに自分らしく、気持ちよく働けるか」を重視するような意向が強まってきており、個人の労働意識がシフトしてきています。人生100年時代ともあれば1社に対しての帰属意識も過去のそれほど固執したものでもなくなります。
TalentViewerでウェルビーイングの実現を
コクヨの挙げる6つのポイントを実践するためには、組織の透明度を高める必要があります。
TalentViewerでは社員情報の見える化だけでなく、社員のエモーショナルな部分の見える化、社員の声の有効活用まで可能です。
ただ「既存データの管理・活用」するだけのタレントマネジメントではなく、新たに必要となるデータの収集・分析までワンストップで実行できるのがTalentViewerの特徴です。