株式会社はなまる

「採用・活躍・定着」の好循環へ。急成長企業が明かす、データで課題解決を加速させる方法

一般的な中古車から事故車や損害車といったダメージカーにも新たな価値を見出し高く買いとる独自のビジネスで急成長を遂げている、株式会社はなまる(車買取サービス 『ソコカラ』を運営)。

事業の急成長に伴い、優秀な人員の確保が急がれる中、手前では人事施策が追い付かない。多くの成長企業が直面するこのジレンマに、同社の人事部はどう立ち向かったのでしょうか。タレントマネジメントシステムの選定から活用を主導する人事部の皆さまに、その軌跡を伺いました。

目次

タレントマネジメントに取り組む目的を教えてください。

5か年計画の達成を目指す当社は、今まさに事業の急拡大フェーズにあります。それに伴い、今期だけで年間純増280名という採用目標を掲げています。これは、現在の採用市場を考えれば、決して簡単ではない目標です。

この目標を達成するには、「採用」、そして「活躍」と「定着」、それぞれを強化していくことが不可欠です。しかし、いざそれらの課題を解決しようとしても、日々のデータ収集や分析といった作業に多くの時間を奪われてしまう。この状況を何とかしなければならない、という思いがありました。

例えば、私たちはTalent Analytics(エンの適性検査)を導入していますが、データはExcel上で分析しようと思えば、できなくはありません。ですが、私たちが本当にやりたいのは分析そのものではなく、その先の実行です。より効率的に、スピーディーに課題解決を進めていくために、本来やるべきことに向き合う時間を創出すること。それが、タレントマネジメントシステム導入の一番の狙いでした。

Talent Viewerへの決め手は何ですか。

事業の成長スピードが上がるにつれて、組織の状況も刻一刻と変化します。だからこそ、タレントマネジメントシステム選定で最も重視したのが、その多様なニーズに適応し続けられる「柔軟性の高さ」でした。

選定段階で、私たちの課題を解決するために必要だと考えていた機能は多岐にわたります。例えば、採用面では、リファラル採用を増やすため、社員の前職経験を蓄積したい。教育面では、社員自身が適性検査結果をいつでも見られるようにしたいし、上司も部下のデータを把握できるようにしたい。また、定着面では、離職者の傾向を分析し、採用基準に活かしたい。さらに、新たな教育研修や360度評価も視野に入れていました。

特に取り組みたかったのは、入社1年目以内の定着率改善に向けたパルスサーベイです。自社独自の設問を柔軟に設定できるので、私たちが本当に知りたい現場の状況をピンポイントで聞くことができます。これらの課題解決に必要な機能が網羅されており、かつ将来的な拡張性も備えている。それがTalent Viewerでした。

スムーズな運用のために工夫したことはありますか。

導入後のスムーズな運用に関して、もしコツがあるとすれば、それは最初に着手するテーマを「コントロール可能な領域」に絞り込んだことに尽きます。

人事評価の運用など全社を巻き込むテーマから始めるケースもあると伺いましたが、私たちはあえて人事部内で完結できる定着率の改善を最初の目標にしました。他部署との調整が必要な施策は不確定要素が多く、成果が見えるまでに時間がかかりがちです。そうではなく、まずは自分たちの手で完結でき、システム導入の価値を社内に証明しやすいことから始めたのです。

このアプローチによって、比較的短期で狙った成果を出すことができ、システムを導入したことによる変化を実感できました。それが、その後の様々な課題への展開に向けた大きな弾みになったと感じています。

どのような成果が出ていますか。

導入後、着手した採用基準の改善では、目に見える成果が出ました。
以前は面接官の主観に頼る部分が大きく、基準が抽象的になりがちでしたが、活躍に必要な能力や資質を具体的に言語化。この客観的な基準を設けたことで、採用のミスマッチが減り、課題だった定着率を約15%改善することにもつながりました。今は入社後、活躍しきれずに辞めてしまうという次のテーマに向け、教育カリキュラムとシステムを連動させています。

また、Talent Viewerがもたらした最大の価値は、人事部と現場、そして経営との関係性の変化かもしれません。
Talent Viewerによって、「現場のリアルな情報を拾いやすく」なったことは、非常に大きな変化です。ともすれば、「人事は現場を分かっていない」と思われがちです。しかし今では、データという客観的な根拠を持つことで現場への解像度が格段に上がり、より的確な提案につながっています

これは経営に対しても同様です。単なる一個人の意見ではなく、統計的な事実として「この組織では今、こういう課題が起きています」と経営層とも会話ができています。データに基づいた健全な議論を通じて会社の意志決定を支援できているという実感があります。

今後の展望を教えてください。

今後の展望としては、まず営業職の育成カリキュラムをTalent Viewer上で本格的に実行し、新入社員の立ち上がりを加速させていきたいと考えています。競合他社の平均在籍年数もベンチマークしながら、社員が長く活躍できる環境を整えていくことを考えています。

そして、これは私がいつも人事のメンバーに言っていることですが、私たちは経営者の一番のビジネスパートナーにならなければなりません。私たちは人という資源で会社をどう勝たせていくのか、経営の意向を誰よりも深く汲み取って提案できる存在であるべきだと考えています。

そのためには、自分たちの仕事を一つの事業として捉える視点も欠かせません。自分たちの提案にどれだけの付加価値があり、いかに事業を勝利に導けるか。そのような当事者意識を持って、事業に貢献できる人事組織を目指し続けていきたいですね。

まとめ

急成長企業が直面する採用・活躍・定着の複合的な課題。その解決のために必要な戦略実行の時間を捻出するという目的意識から、同社の挑戦は始まりました。コントロール可能な領域から着実に成果を出すことや、手にしたデータを武器に、現場と経営の信頼を獲得し、組織を動かしていく。

今回の事例には、システムを導入するだけでなく、課題解決を実行するための武器として使いこなすための、多くの学びが詰まっていました。

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