ナラティブ・アプローチとは何ですか?
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Q:ナラティブ・アプローチとは何ですか?
A:ナラティブ・アプローチとは、相談相手を支援する際に、相手の語る「物語(narrative)」を通して解決法を見出していくアプローチ方法です。
ナラティブ・アプローチは、1990年代に臨床心理学の領域から生まれました。現在では医療やソーシャルワークなどの分野でも実践されており、特に相談者の自主的な語りを重視する実践的な心理療法は「ナラティブ・セラピー」と呼ばれます。
物語とはどういうことなのか?
ここでいう物語はどういうものを指すのでしょうか。
従来も、カウンセリングにおいては相談相手や患者の話には耳を傾けていたはずで、それらの方法との違いはどこにあるのでしょう。
それは「患者の状況を客観的に理解する」か、「患者の感情や解釈そのものを理解するのか」の差です。
相談相手が自分について語るとき、それは事実とは限りません。自分なりの脚色が多く含まれていることもあります。
しかし解釈そのものに着目し、その解釈を聞き手側との共同作業で新たなものに更新することができたとき、相談相手の状態が大きく改善されることをナラティブ・アプローチは主張しています。
従来のカウンセリングとナラティブ・アプローチとでは立ち位置が異なっている、といえるでしょう。